2022-04-18

ブロンテフェスティバルが開催されているスカーバラで舞台"Jane Eyre"上演中



アン・ブロンテのお墓があることでもブロンテ姉妹に縁のある海辺の街スカーバラ、当地でブロンテフェスティバルが開催されているそうです。
研究者によるレクチャーやウォーキングツアーなどのイベントに加えて舞台"Jane Eyre"が上演されており、今回のアダプテーションではジェインとバーサを同じ俳優が演じているそうです。
ガーディアン紙のレビューは星4つと高評価。
もう少し舞台内容が詳しく分かるレビューが出るといいですね。

2021-11-29

ガヴァネス関連の論文としては珍しい、北アイルランドのアルスターにおける19世紀ガヴァネス研究

さっくり読んだ論文メモ。
19世紀ガヴァネス研究としては珍しい、北アイルランドのアルスターでガヴァネス職に従事していた女性たちを追跡した論文。内容としてはよくあるガヴァネス職をめぐる苦境や社会的状況についてなのだけれど、北アイルランドでも1830~40年代に創設されたロンドンのGBIやQueen's Collegeを参考にしたthe Governess Association of Ireland (GAI)があったことなど知らなかった情報も多く。具体的に、アルスターでガヴァネスをしていた女性を国勢調査への登録を元に追跡した章は興味深い。雇用者である家族との関係を主に追っているのだけれど、公的文書だけでこの時代の独身女性の経歴を追跡することがどれだけ困難か、という記述も注目に値するかと。後できちんと読み直したい。

Shannon Devlin (2021): "The governess in nineteenth-century Ulster middle-class households", "Women's History Review", 1-23.

https://doi.org/10.1080/09612025.2021.2002513

2021-04-14

ジョージ・メレディスの書評

昨日、「ウェストミンスター・レビュー」のジョージ・メレディスのある書評を読んでいたのだけれど、なんというか、上から目線に辟易してしまい^^;。
2冊の新刊小説について書いているのだけれど、女性作家に対する物言いだから余計にこういうトーンになっているのか、ざっくり言うと、こういうキャラクターは実生活においては面白みがあっていいが小説においては退屈でつまらない、だから○○女史は次はこういうものは避けて違うタイプの作品に挑戦されたし、という内容で。
シャーロット・ブロンテにも絡めた書評で、この2作品が真似たと思われるとメレディスが推測したシャーロットの作品も暗に揶揄しているのかなと思われる書き方が、なんだかなぁと思ったのでした。まあメレディスだから、そのトーンは分からないでもないのだけれど、それでもやっぱり、なんか引っかかる。
捨てるには惜しい書評だけど、使うのもイラッとするのよね^^;。

2021-04-05

2018-04-04

マーガレット・ドラブル『昏い水』(2018)

マーガレット・ドラブル『昏い水』読了。老いがテーマ、諧謔的な文体で描かれる曲者ぞろいの老人たちの姿がパワフル。福祉の仕事に駆け回る活動的なフランと退職した英文学者の友人ジョセフィーンの生活の機微が印象的。友の死に直面しても「生き抜くことしか選択肢はない」と言い切るフランの潔さ。

余談ながら。
そういえば、と思い出したけど、A.S.バイアットが来日された時にうちの大学にも講演に来られて、とにかく妹であるマーガレット・ドラブルのことは一切質問するなというお触れが前もって出たことがあった。相当仲悪いんだなぁと友人の院生と苦笑いした記憶が^^;

2018-03-28

スーザン・セラーズ『わが妹、ヴァージニア』(2018)

スーザン・セラーズ『わが妹、ヴァージニア』読了。ヴァージニア・ウルフの姉ヴァネッサ・ベルがその内面を綴る形を取った小説。抑制された一人称語りに滲むヴァネッサの孤独、葛藤、妹への複雑な思い。ヴァージニアを「あなた」と呼び彼女の言動を「わたし」ヴァネッサが描写すると二人称小説のよう。